ケシキ / 本田絵理 さん

福岡県八女市で、春夏は茶づくり、秋冬は染めと焼きものに取り組む、ケシキ / 本田絵理さん。 はじめて八女でケシキ 絵理さんを訪ねたとき、 自身で染めた布を敷き、自身で制作した湯のみで、自らつくったお茶を淹れて、もてなしてくれました。

彼女の茶畑でもご自宅でも、いつもそれは同じで、その場にぴったりの形でお茶を出してくれます。

夏に訪ねた時は、ハーブを香らせた冷茶と、地の果物やアイスクリームを用意してくれました。冬には自身でつくった茶道具で、お茶を焙煎してほうじ茶にすることもあるのだそう。
そのすべては無理がなく、地続きで豊か。

お茶とそのまわりにじっくり目を向けることで見つけた、宝物のような風景だなと感じます。

 

絵理さんは、春夏は茶づくり、秋冬は染めと焼きものに取り組んでいて、すべてをケシキとして届けています。

お茶、染めもの、焼きもの。ひとつひとつは独立した営みですが、お茶を通して、制作の過程もまたつながっています。

身の回りにある植物や茶の木を使って布を染める。
茶の木の剪定枝は、燃やし灰にして、焼き物の釉薬に使う。
最近は、お茶を焙じるときに、中国の技法から着想を得て、八女の梨の剪定枝の炭や同じ集落でつくっている樫の炭を使い出したそう。
燃え尽きた梨の枝の灰は、焼き物へ。

知見を広げる中で感じ取ったものを、自身の茶に取り入れて、手を動かしてみる。うまくいったら、焼きものや染めへと広げていく。ひとつのことを深めることで広がっていくような循環があります。

その流れの中で生まれるケシキの作品は、穏やかで、美しく、そしておいしいんです。

先日、ケシキの焼きものや染めものの佇まいについてふいに伺うと、暮らしのなかに置いて穏やかな美しさのある道具が好きで、制作にもそれが反映されていると思う、と話してくれました。

確かに、ケシキの取り組みによって生まれた風合いは、強く主張することはなく、作品に滲むように存在しています。

そこには、絵理さんの美意識が隅々まで行き渡っていて、私はその在りかたにとても惹かれるのだと思います。
ぜひ、器を通して、ケシキの世界をのぞいてみてください。

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